第849回 生医研セミナー(多階層生体防御システム研究拠点)
下記の通り、立花 誠 先生 によるセミナーを開催いたします。皆様のご来聴を心より歓迎いたします。
演題 / Title
マウス性決定のエピジェネティック制御機構
演者 / Speaker
立花 誠 先生
大阪大学 大学院生命機能研究科・教授
日時 / Date
2025年3月17日(月) / Mar. 17 (Mon), 2025
17:00〜18:00
場所 / Venue
病院キャンパス 総合研究棟 1階 セミナー室 105
以下の地図の34番です。
キャンパスマップ
Seminar Room 105, 1F, Biomedical Research Station, 1F, Biomedical Research Station, Hospital Campus
No.34 on the following linked map.
Campus Map
要 旨 / Abstract
有性生殖を行う生物が自身の遺伝情報を継承するためには、オスまたはメスのどちらかへ分化(性分化)することが必要である。ほ乳類では、胚発生過程の特定の時期に性的に未分化な生殖腺が精巣または卵巣になるかの運命決定(性決定)が行われる。1990年にはY染色に存在するほ乳類性決定遺伝子Sryが発見された。Sryが転写因子をコードしていたことに加え、精巣分化あるいは卵巣分化の経路には多彩な転写因子が関与することが明らかになった。これらの研究により、「ほ乳類の性決定・性分化における主要な経路は転写因子カスケードである」ことが広く印象づけられた。そのような中で私たちは、マウス性決定遺伝子Sryの時期特異的な転写活性化には、ヒストン修飾やDNAの脱メチル化といったエピジェネティック制御が重要な役割を担うことを明らかにしてきた。最近になり、母体の栄養や生殖腺の代謝状態がマウスの性決定・性分化に重要な役割を担っていることを見出しつつある。本セミナーでは、ほ乳類性決定におけるエピジェネティック制御の役割について最新の研究成果を交えて紹介したい。
連絡先 / Contact
生体防御医学研究所 トランスクリプトミクス分野
大川 恭行
092 (642) 4534
Division of Transcriptomics, Medical Institute of Bioregulation
Yasuyuki Ohkawa
TEL: 092 (642) 4534