第831回 生医研セミナー(多階層生体防御システム研究拠点)
下記の通り、長井 淳 先生によるセミナーを開催します。皆様のご来聴を心より歓迎致します。
演題
アストロサイトの機能多様性・特異性の理解に向けて
演者 / Speaker
長井 淳 先生
国立研究開発法人 理化学研究所 脳神経科学研究センター グリア-神経回路動態研究チーム
チームリーダー
Jun Nagai, Ph.D.
Team Leader
Laboratory for Glia-Neuron Circuit Dynamics, RIKEN Center for Brain Science
日時 / Date
２０２３年１月６日（金） / Jan. 6 (Fri), 2023
17：00〜18：00
場所 / Venue
病院キャンパス 医学部基礎研究A棟 １階 第２講義室
以下の地図の1番です。
https://www.kyushu-u.ac.jp/f/47904/HOSPTAL_Jp.pdf
Lecture Room 2, 1F, Faculty of Medical Sciences Building A of Basic Sciences, Hospital Campus
No.1 on the following linked map.
https://www.kyushu-u.ac.jp/f/47905/HOSPTAL_Eng.pdf
要 旨 / Abstract
一部の脳領域のアストロサイト活動を操作すると動物行動が変化する1-4。一方で、動物行動が変化した時に、脳全体のうちどの領域のアストロサイト活動が変わるのだろうか。この疑問に答えるため、行動変化に伴い活性化するアストロサイト(behavior-activated astrocyte ensemble [BAE, ベイ])を全脳標識（タギング）する遺伝学ツールを開発した。行動/状態を変化させる刺激として視覚や覚せい剤、恐怖記憶の形成・想起を用いてアストロサイトタギングを行ったところ、行動特異的なアストロサイト活動の時空間分布が明らかになった。さらに、これら BAE への介入操作によってマウス行動が変化することが見出された。以上のことから、BAEは新たな機能的アストロサイト亜集団（行動特異的アストロサイト）である可能性が示唆された。BAE がいつ・どこで・どのように・どのような機能のために活性化するのかを解明することにより、アストロサイト活動と動物行動の因果関係が明らかになっていくことが期待される。
参考論文 / References
- Jun Nagai et al.Cell 2019.
- Jun Nagai et al. Neuron 2021.
- Xinzhu Yu*, Jun Nagai* et al. Neuron 2020.
- Xinzhu Yu, Anna M W Taylor, Jun Nagaip et al. Neuron 2018.
連絡先 / Contact
生体防御医学研究所 システム免疫学統合研究センター アレルギー防御学分野
伊藤 美菜子
092 (642) 6965
Division of Allergy and Immunology,
Research Center for Systems Immunology, Medical Institute of Bioregulation
Minako Ito
TEL: 092 (642) 6965