第827回 生医研セミナー(多階層生体防御システム研究拠点)

下記の通り、谷内 一郎 先生によるセミナーを開催します。皆様のご来聴を心より歓迎致します。

演題 / Title

Runx転写因子リン酸化を介した胸腺細胞分化制御機構

演者 / Speaker

谷内 一郎 先生
国立研究開発法人 理化学研究所 生命医科学研究センター 免疫転写制御研究チーム
チームリーダー

Ichiro Taniuchi, M.D., Ph.D.
Team Leader
Laboratory for Transcriptional Regulation,
RIKEN Center for Integrative Medical Sciences

日時 / Date

2022年12月2日(金) / Dec. 2 (Fri), 2022
17:00〜18:00

場所 / Venue

病院キャンパス 総合研究棟 1階 講義室102
以下の地図の34番です。
https://www.kyushu-u.ac.jp/f/47904/HOSPTAL_Jp.pdf

Lecture Room 102, 1F, Biomedical Research Station, Hospital Campus
No.34 on the following linked map.
https://www.kyushu-u.ac.jp/f/47905/HOSPTAL_Eng.pdf

要 旨 / Abstract

免疫応答で中心的な役割を担うCD4ヘルパーT細胞、CD8キラーT細胞は胸腺で共通の前駆細胞CD4+CD8+DP胸腺細胞から分化する。I型MHC、II型MHCを介したTCR信号は最終的にはThPOK、Runx3転写因子の発現誘導を介し、ヘルパー及びキラーT細胞分化を誘導する。I型MHC拘束性胸腺細胞の分化過程ではCd4遺伝子座、Thpok遺伝子座内のRunx依存性サイレンサーが活性化され、両遺伝子の発現が抑制されることが必須であるが、キラー系列特異的にサイレンサー活性を制御する分子機序は不明であった。Runx転写因子ファミリーはC末端に進化上保存されたWRPY配列を有し、WRPY配列を介してTLE転写共役抑制因子ファミリーと会合する。我々はこの WRPY内の最後のY残基に着目し、遺伝学的、分子生物学的、生化学な解析行い、I型MHC拘束性細胞分化過程ではTCR信号伝達初期過程に必須のLckキナーゼ依存的にRunxタンパクの最後のY残基がリン酸化され、RunxタンパクとTLEファミリーとの会合が誘導され、サイレンサーが活性化されることを示す結果をえた。異なるMHCを介したTCR信号の差異が転写因子の翻訳後修飾状態に変換され、核内で異なる分化プログラムが発動されることが示唆される。

参考論文 / References

  • Taniuchi I. et al.
    Differential requirements for Runx proteins in CD4 repression and epigenetic silencing during T lymphocyte development. Cell 111:621-633, 2002.
  • Setoguchi R. et al.
    Repression of the transcription factor Th-POK by Runx complexes in cytotoxic T cell development. Science 319:822-825, 2008.
  • Xing S. J. et al.
    Tle corepressors are differentially partitioned to instruct CD8+ T cell lineage choice and identity. J. Exp. Med. 215:2211-2226, 2018.

連絡先 / Contact

生体防御医学研究所 システム免疫学統合研究センター 粘膜防御学分野
澤 新一郎
092 (642) 6973

Division of Mucosal Immunology,
Research Center for Systems Immunology, Medical Institute of Bioregulation
Shinichiro Sawa
TEL: 092 (642) 6973