第812回 生医研セミナー(多階層生体防御システム研究拠点)

生体防御医学研究所 防御分子構築学分野 客員准教授の揚妻 正和 博士にセミナーをお願いしました。
今回のセミナーでは、2光子イメージングとスパースモデリング・グラフィカルモデルによる情報論的アプローチで明らかにされた「恐怖記憶コード」についてご講演いただきます。皆様、是非ご来聴下さい。

演題 / Title

恐怖記憶を支える神経回路の動的生成過程と情報処理

演者 / Speaker

揚妻 正和 先生

生理学研究所 生体恒常性発達研究部門・特任准教授
生体防御医学研究所 防御分子構築学分野・客員准教授

日時 / Date

令和3年12月16日(木) / Dec. 16 (Thu), 2021
16:00〜17:30

場所 / Venue

オンライン(Zoom) 

参加を希望される方は、12月15日(水)15:00までに下記の参加登録フォームのURLをクリックの上、登録をお願いいたします。

参加登録フォームのURL: https://forms.gle/qhhewyPo2zyAKfcp7

12月16日の午前中に登録されたE-mail宛にZoomのURLをお送りいたします。

なお、Zoomへのアクセスは、九州大学ドメインのメールアドレスで登録されたZoomアカウントに制限されていますので、ご了承ください。

要 旨 / Abstract

学習・記憶は、ヒトや動物の環境適応に不可欠である。「恐怖」に関する記憶は、自然界での生存等に重要である一方、様々なヒトの精神疾患とも関わり、それを支える脳機構は活発な議論の対象となってきた。
恐怖記憶に関わる脳領域として、大脳皮質「前頭前野」は、扁桃体と並びヒトから齧歯類まで広くその重要性が指摘されている。それらの脳領域の内部における神経回路とその情報処理の仕組みについては、近年の分子生物学、遺伝学、光遺伝学などの技術発展により、記憶痕跡細胞などと呼ばれる「特定の神経細胞の集団」がその制御の鍵として同定されるようになった。しかし、それらが記憶をコードする背景にある「神経回路構造の生成過程」や「情報処理」は、未だ多くが不明である。
そこで我々は、記憶形成過程を通じた2光子イメージングと、スパースモデリング・グラフィカルモデルによる情報論的手法を組み合わせ、その実態に迫ってきた。今回は、これらの手法により新たに得られたデータを紹介し、恐怖記憶脳回路の動的生成過程、どのような情報処理が行われるか、など、前頭前野の神経細胞集団が司る「恐怖記憶コード」の実体について議論する。

参考論文 / References

  1. Agetsuma M., et al.
    (Tentative title) Optical and computational dissection of emergent prefrontal rewiring to encode fear memory. bioRxiv. (2021). https://doi.org/10.1101/2021.08.31.458461.
  2. Josselyn S.A., Tonegawa S.
    Memory engrams: Recalling the past and imagining the future. Science. (2020) 367, eaaw4325.
  3. Agetsuma M., Hamm J.P., Yuste R., et al.
    Parvalbumin-Positive Interneurons Regulate Neuronal Ensembles in Visual Cortex. Cerebral Cortex. (2018) 28, 1831-1845.
  4. Karnani M.M., Agetsuma M., Yuste R.
    A blanket of inhibition: functional inferences from dense inhibitory connectivity. Curr Opin Neurobiol. (2014) 26, 96-102.
  5. Agetsuma M., Aizawa H., Okamoto H., et al.
    The habenula is crucial for experience-dependent modification of fear responses in zebrafish. Nature Neuroscience. (2010) 13, 1354–1356.

連絡先 / Contact

生体防御医学研究所 脳機能制御学分野
中別府 雄作
092 (642) 6800
yusaku@bioreg.kyushu-u.ac.jp


Division of Neurofunctional Genomics, Medical Institute of Bioregulation
Yusaku Nakabeppu
TEL: 092 (642) 6800
E-mail: yusaku@bioreg.kyushu-u.ac.jp