第786回 生医研セミナー(多階層生体防御システム研究拠点)

下記の通り、浅井 義之 先生によるセミナーを開催致します。皆様のご来聴を心より歓迎いたします。

演題 / Title

医用AIとシステム医学の融合を目指した取り組み

演者 / Speaker

浅井 義之 先生

山口大学大学院医学系研究科 システムバイオインフォマティクス講座・教授
山口大学大学院医学系研究科•医学部附属病院 AIシステム医学医療研究教育センター・センター長

日時 / Date

2019年2月8日(金) Feb. 8(Fri), 2019
17:00~18:00

場所 / Venue

病院キャンパス 総合研究棟 1F 講義室102
以下の地図の1番です。
(http://www.kyushu-u.ac.jp/f/33951/2018hospital_2.pdf)

Lecture Room 102, 1F, Biomedical Research Station, Hospital Campus
No.1 on the following linked map.
(http://www.kyushu-u.ac.jp/f/33952/2018hospital_2-en.pdf)

要 旨 / Abstract

人工知能(AI)・機械学習は、画像認識やマーケティングデータへの適用で着実に成果をあげ革新的なサービスが展開されつつある一方、医療分野への応用ではまだまだ克服されるべき問題点もあるのが現状である。例えば、医療データの場合、N数は症例数により規定されるため、一医療機関だけでは機械学習(特にディープラーニング)の精度を上げるために十分なデータ数を確保しにくいという状況がある。また、画像は一瞬のスナップショットであるが、生理機能や病態の理解・解析には時間軸方向の状態の変化情報も重要である。そのような情報を扱う学問領域としてシステムバイオロジーがある。山口大学大学院医学系研究科・医学部附属病院は、附属病院全体を包括する医療AIシステムの構築と、延いては健康県樹立のためのプラットフォームの構築を目標として、2018年4月に「AIシステム医学・医療研究教育センター」を設立した。我々はシステムバイオロジーとAI技術の医学応用を融合させたアプローチをとることで医学・医療の発展に貢献することを目標としている。本セミナーでは近年の我々の取り組みを中心にシステム医学・医用AIについて議論したい。

演者紹介 / Speaker Introduction

2018年4月 山口大学大学院医学系研究科・医学部附属病院AIシステム医学医療研究教育センターの初代センター長に就任。医用AIとシステム医学を医学研究・医療へ応用すると同時に、将来のデータサイエンス医師の教育に従事。
2017年4月 山口大学大学院医学系研究科システムバイオインフォマティクス講座に講座名を改名。
2016年10月 山口大学大学院医学系研究科環境保健医学講座の教授に着任。システムバイオロジー、バイオインフォマティクスの医学応用、多階層生理機能シミュレーションの包括的ソフトウェアプラットフォーム開発に関する理論的研究に従事。
2010年10月 沖縄科学技術研究基盤整備機構(2011年11月より沖縄科学技術大学院大学)オープンバイオロジーユニットのグループリーダに着任.フィジオーム・システムバイオロジーにおける統合的モデリングを支援するオープンプラットフォームの開発,ならびに神経回路による情報伝達・処理機構に関する計算論的研究に従事。
2007年10月 大阪大学臨床医工学融合研究教育センターの特任准教授に着任.神経回路による情報伝達・処理機構に関するシミュレーション研究,計算論的アプローチによる静止立位姿勢の制御機構に関する研究,ならびに,フィジオームにおける多階層モデリングのためのオープラットフォームの開発に従事.チーフデベロッパーを務める。
2005年4月 産業技術総合研究所人間福祉医工学研究部門の研究員に着任.非侵襲的中心動脈硬化度評価方法の開発,運動機能評価・膝関節運動制御機構に関する実験的研究,神経回路ダイナミクスに関する研究,リアルタイムスパイクーソーターの開発に従事。
2003年3月に大阪大学大学院基礎工学研究科において博士(工学)を授与された後, JSPS特別研究員(PD)として同大大学院工学研究科ならびにISI Foundation (Italy), Lausanne University (Switzerland) において神経回路ダイナミクスと情報処理に関する計算論的研究,スパイクソーティングアルゴリズムの開発に従事。

連絡先 / Contact

生体防御医学研究所 情報生物学分野
須山 幹太
092(642)6384