第748回 生医研セミナー(多階層生体防御システム研究拠点)


下記の通り、立花 誠 先生によるセミナーを開催致します。皆様方のご参加を心よりお待ちしております。

演題

ヒストンのメチル化修飾による生命機能の制御

演者

立花 誠 先生
徳島大学先端酵素学研究所

日時

2017年8月23日(水)  Aug. 23(Wed), 2017
17:00~18:00

場所

病院キャンパス内 総合研究棟 102号室
以下の地図の1番です。
(https://www.kyushu-u.ac.jp/f/28545/hospital_jp.pdf)

Seminar Room 102, Kyushu University Biomedical Research Station
No.1 on the following linked map.
(https://www.kyushu-u.ac.jp/f/28551/hospital_en.pdf)

要 旨

発生段階特異的な遺伝子の発現は、転写因子の機能のみならず、鋳型となるゲノムの後天的な修飾、すなわちエピゲノムによって大きく左右される。ヒストンH3の9番目のリジン(H3K9)のメチル化は、遺伝子発現が抑制されたヘテロクロマチンを代表するエピジェネティックマークである。哺乳類にはH3K9をメチル化する酵素と脱メチル化する酵素が数多く存在し、発現する細胞種・時期、標的遺伝子(あるいは標的染色体部位)が酵素間で異なっていることが分かっている。このことは、H3K9のメチル化エピゲノムは決して安定に維持されるものではなく、むしろ個体発生や細胞分化の過程でダイナミックに変動し、発生段階特異的な遺伝子の発現調節に積極的に貢献していることを予測させる。メチル化酵素と脱メチル化酵素の拮抗した活性によるH3K9メチル化エピゲノムの時間的・空間的な変動がどのような生命現象に関与しているのかについて、最新の知見を交えて紹介したい。

連絡先

生体防御医学研究所 トランスクリプトミクス分野
大川 恭行 092(642)4534