第693回 生医研セミナー(多階層生体防御システム拠点)
免疫機構研究セミナー

下記の通り、竹田 潔 先生によるセミナーを開催致します。 多くの皆様のご来聴をお待ちしております。

演題

ATP依存性の免疫応答の制御機構

演者

竹田 潔 先生
大阪大学大学院・医学系研究科 教授

日時

2015年 4月 10日(金)17:00~18:30

場所

九州大学 病院キャンパス内 生体防御医学研究所 本館1階 会議室
以下の地図の23番の建物になります。
(http://www.kyushu-u.ac.jp/access/map/hospital/hospital.html)

要旨

消化管は、日々摂取する食事成分や常在細菌などの腸内環境因子に常に曝されている組織で、通常はこれら腸内環境因子に対しての炎症反応は惹起されることなく、特有のメカニズムにより恒常性が維持されている。我々の研究室では、これまでに腸内細菌依存性に増加する腸管腔内のアデノシン3リン酸(ATP)が、腸内環境因子として腸管T細胞の応答を制御していること、さらに腸管腔内ATPレベルを膜型ATP分解酵素が制御していることをこれまでに見出してきた。免疫系に作用するATPの細胞外レベルの制御に関わる膜型酵素の解析を行う中で、E-NPP3と呼ばれる活性化された好塩基球で発現が増加するATP分解酵素に着目した。 E-NPP3はCD203cとも呼ばれる膜型酵素で、好塩基球だけでなく活性化されたマスト細胞でも発現が亢進した。この分子の機能解析からATPによるアレルギー反応制御機構が新たに明らかになってきている。本講演では、E-NPP3によるATP制御、そしてアレルギー反応制御について主に議論したい。

連絡先

九州大学 生体防御医学研究所 感染制御学分野
吉開 泰信
電話:092-642-6972