第682回 生医研セミナー(多階層生体防御システム研究拠点)
グローバルCOE理医連携セミナー/免疫機構研究セミナー

下記の通り、岸先生によるセミナーを開催致します。皆様の積極的なご参加をお待ちしています。

演題

リンパ球の単一細胞レベルの解析:ヒトへの応用を目指して

演者

岸 裕幸 先生
国立大学法人富山大学大学院医学薬学研究部(医学)免疫学 准教授

日時

2014年 9月10日(水) 18:00~19:00

場所

九州大学 病院キャンパス内 総合研究棟 セミナー室105
以下の地図の1番の建物になります。
(http://www.kyushu-u.ac.jp/access/map/hospital/hospital.html)

要旨

Bリンパ球、Tリンパ球は、抗原特異的免疫応答の中心的な担い手として、ウイルスやがん細胞の排除に重要な役割を果たしている。その抗原特異性を担っているのが、抗原受容体である抗体およびT細胞受容体(TCR)である。ウイルスやがんに対する抗体は、近年、抗体医薬として臨床で使われている。一方、TCR遺伝子を用いたがんのTCR遺伝子治療も、次世代のがんの治療法として試みられている。私たちの教室では、近年、ヒト末梢血中のBリンパ球やTリンパ球を単一細胞レベルで解析し、抗原特異的Bリンパ球やTリンパ球を見つけ出し、その抗原受容体である抗体やTCRを1個のリンパ球から効率良くクローニングし、その機能を解析する手法を開発してきた。このようにして取得されたヒトの抗体やTCRは、そのまま抗体医薬やTCR遺伝子治療の材料として使用することが可能であり、私たちの技術は、抗体医薬やTCR遺伝子の開発に大きく貢献できるものと考えている。本セミナーでは、リンパ球チップを用いた抗原特異的抗体の開発(Jin et al., Nature Medicine, 2009)と、最近開発を進めている抗原特異的TCRの取得法(Kobayashi et al., Nature Medicine, 2013)について、最近の技術的進歩も含めて説明させていただきます。

連絡先

生体防御医学研究所 ゲノム病態学分野
谷 憲三朗
電話:092-642-6434