第673回 生医研セミナー(多階層生体防御システム拠点)
免疫機構研究セミナー

下記の通り、大阪大学大学院医学系研究科の竹田 潔 先生によるセミナーを開催致します。
多くの皆様のご来聴をお待ちしております。

演題

炎症性腸疾患の発症機構の解析

演者

竹田 潔 先生
大阪大学大学院医学系研究科 教授

日時

2014年 4月 18日(金) 17:00~18:30

場所

九州大学 病院キャンパス内 生体防御医学研究所 本館1階 会議室
以下の地図の21番の建物になります。
(http://www.kyushu-u.ac.jp/access/map/hospital/hospital.html)

要旨

消化管 は、日々摂取する食事成分や常在細菌などの異物(腸内環境因子)に常に曝されている組織で、通常はこれら腸内環境因子に対しての炎症反応は惹起されることなく、特有のメカニズムにより恒常性が維持されている。しかし、我々の免疫系が腸内環境因子に過剰応答するようになったり、腸管上皮層の機能異常により常在細菌が上皮層を越えて侵入するようになると、炎症性腸疾患が発症する。このように、腸管では、腸内環境因子・腸管上皮層・免疫系の相互作用により腸管恒常性が維持され、その関係性の破綻により腸管炎症が発症するものと考えられている。我々は、腸管炎症の制御機構を、腸管粘膜固有層に存在する自然免疫細胞を標的として解析を行ってきた。そして、炎症誘導性のTh17細胞を誘導したり、炎症性T細胞の増殖を直接抑えたりする腸管特有の自然免疫細胞サブセットを見出してきた。また、免疫系と腸内環境因子を分け隔てる上皮層の腸管恒常性維持機構についても解析を行っている。本講演では、腸管炎症の制御機構について、最新知見を交えて議論したい。

連絡先

生体防御医学研究所 感染制御学分野
吉開 泰信
電話:092-642-6972