第664回 生医研セミナー(多階層生体防御システム拠点)
ヌクレオチドプール研究センターセミナー

生体防御医学研究所 防御分子構築学分野 客員准教授の松本明郎博士にセミナーをお願いしました。
 今回のセミナーでは、アミノ酸代謝異常症の病態発現機序および水素分子による生体作用の新たな発現機序に関する研究をご講演いただきます。皆様、是非ご来聴下さい。

演題

生理的低分子量物質の生体内作用

演者

松本 明郎 先生
千葉大学大学院・医学研究院・薬理学 准教授

日時

2014年 1月 21日(火)16:00~17:30

場所

九州大学 病院キャンパス内 生体防御医学研究所 本館1階 会議室
以下の地図の21番の建物になります。
(http://www.kyushu-u.ac.jp/access/map/hospital/hospital.html)

要旨

近年、Evidence Based Medicineの考え方が広まり、より科学的な根拠に基づいた理論的な医療の提供が求められている。しかし、Evidence(治療効果)は明らかなものの、作用機序に関する科学的な説明が待たれている治療法も数多く存在する。狭心症治療薬として用いられるニトログリセリンは、一酸化窒素(NO)と同様の作用を生体内で生み出す事により治療効果を発揮するが、この分子機序の詳細が明らかになったのは薬剤としての使用がはじまってから、実に100年近くたってからである。
近年、生体内で産生されるガス状分子(NO・硫化水素・一酸化炭素・水素など)やこれらの分子と反応するアミノ酸の生理作用や病態との関連性に関する研究が進められ、生体における低分子量物質が改めて注目されている。
今回のセミナーでは、アミノ酸とその輸送・代謝系に着目したアミノ酸代謝異常症の病態発現機序と、九州大学との共同研究により明らかにされた水素分子による生体作用の新たな発現機序について紹介させていただく予定である。

連絡先

九州大学 生体防御医学研究所 脳機能制御学分野
中別府 雄作
電話:092-642-6800