この度、京都大学の有田恭平先生に生体防御医学研究所でのセミナーをお願い致しました。このセミナーでは、ヒストン蛋白質にエピジェネティックな情報を書き込む酵素のPAD4と、エピジェネティックな情報を読み取るUHRF1の構造についてお話し頂きます。 有田先生には構造が専門外の研究者にも分かりやすい講演をお願いしました。複雑な生命現象を解き明かすには、さまざまな分野のコラボレーションが必要です。構造からどんなことが分かるのか?構造が専門外の方も、奮って御参加下さい。
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演題 | エピジェネティクス情報の書き込み、読み取り、継承に関与するタンパク質の構造生物学
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演者 | 有田 恭平 先生
京都大学工学研究科 生体分子機能化学講座 助教
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日時 | 平成24年11月9日(金)17:30〜18:30
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* | 先に16:30〜17:30、山縣一夫先生(大阪大学微生物病研究所)のセミナーがあります。
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場所 | 馬出医学系キャンパス内 総合研究棟 セミナー室 105
以下の地図の1番になります。 (http://www.kyushu-u.ac.jp/access/map/hospital/hospital.html) |
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要旨 |
DNAメチル化やヒストン修飾に代表されるエピジェネティクスな情報は、細胞分化の過程で確立し、維持されていくことにより細胞固有の遺伝子発現パターンを制御すると考えられている。エピジェネティクスな情報は特定の酵素によって書き込まれ、そして特異的な因子に読み取られることによりクロマチン構造変換などを引き起こす。本セミナーではエピジェネティクス情報を書き込む因子としてヒストンシトルリン化酵素PAD4のCa2+依存的な酵素活性化機構とヒストンテイルの認識機構に関する構造生物学的な研究について紹介する。またヒストン修飾の読み取り、およびDNAメチル化の継承に関与する因子としてUHRF1に注目し、構造生物学的な研究について紹介するとともに、立体構造を保持しないUHRF1の天然変性領域の構造と機能に関しても紹介する。
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業績 |
- Arita K, Ariyoshi M, Tochio H, Nakamura Y, Shirakawa M.
Recognition of hemi-methylated DNA by the SRA protein UHRF1 by a base-flipping mechanism. Nature 2008, 455, 818-821
- Arita K, Hashimoto H, Shimizu T, Nakashima K, Yamada M, Sato M.
Structural basis for Ca(2+)-induced activation of human PAD4. Nat. Struct. Mol. Biol. 2004, 11, 777-783
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連絡先 | 生体防御医学研究所 エピゲノム学分野 鵜木元香
Division of Epigenomics, MIB, Motoko UNOKI
電話:092-642-6760 |
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