第628回 生医研セミナー(多階層生体防御システム研究拠点)
ヌクレオチドプール研究センターセミナー

下記のとおり、倉岡 功 先生のセミナーを開催致します。皆様是非ご来聴ください。

演題ヒトEndonuclease Vの新規機能

演者倉岡 功 先生
大阪大学大学院 基礎工学研究科 物質創成専攻
機能物質化学領域 生体機能化学グループ・准教授

日時平成24年7月20日(金)14時〜

場所馬出医学系キャンパス内 生体防御医学研究所 本館1階 会議室
以下の地図の21番になります。
http://www.kyushu-u.ac.jp/access/map/hospital/hospital.html

要旨 細胞は、損傷の種類によって異なる酵素を利用して修復する。一般的な除去修復の2つの経路として、塩基除去修復(base excision repair:BER)とヌクレオチド除去修復(nucleotide excision repair:NER)が存在する。BERは、DNAグリコシラーゼによって損傷塩基を加水分解して取り除き、塩基の欠落した糖リン酸をAPエンドヌクレアーゼが識別して糖-リン酸主鎖を切断し、DNAポリメラーゼとDNAリガーゼにより修復が完了する。一方、NERは比較的、大きな損傷を認識し、損傷の両側に切り込みを入れ、生じたギャップをDNAポリメラーゼとDNAリガーゼを用いて修復する。
 しかしながら、少なくとも大腸菌において、これらの修復機構以外の除去修復(Alternative Excision Repair:AER)が存在することが確認されている。この修復機構における損傷認識および切断は、EndonucleaseV(EndoV)という修復酵素によって行われており、この酵素は、損傷の一つであるアデニン塩基の脱アミノ化により生じたデオキシイノシン(ヒポキサンチン塩基)の3’ 側の2番目のリン酸ジエステル結合を加水分解することが報告されている。我々はヒトのEndoVの単離し、この性質を解析した。その結果、この酵素はAER以外に新規の活性を示すことが見いだされた。この新規機能について報告する。

連絡先生体防御医学研究所 脳機能制御学分野
中別府 雄作
電話:092-642-6800


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