第766回 生医研セミナー(多階層生体防御システム研究拠点)


下記の通り、有田 恭平 先生によるセミナーを開催致します。皆様方のご参加を心よりお待ちしております。

演題

DNA維持メチル化の分子機構の構造基盤

演者

有田 恭平 先生
横浜市立大学 生命医科学研究科
構造生物学研究室 准教授

日時

2018年1月10日(水)  Jan. 10 (Wed), 2018
17:00~18:00

場所

病院キャンパス 生体防御医学研究所 本館1階 会議室
以下の地図の26番です。
(http://www.kyushu-u.ac.jp/f/30078/Hospital_jp-2017.pdf)

Seminar Room, Main Building 1F, Medical Institute of Bioregulation
No.26 on the following linked map.
(http://www.kyushu-u.ac.jp/f/30074/Hospital_en-2017.pdf)

要 旨

ゲノムDNAのメチル化パターンは、細胞固有の遺伝子発現を定義づける重要な役割をはたします。分化した細胞のDNAメチル化パターンは、ゲノム配列と同様に複製・細胞分裂を経て次世代の細胞に正確に受け継がれることにより、細胞はその形質を維持することができます。このDNA維持メチル化には、維持型DNAメチル化酵素であるDNMT1と,ユビキチンリガーゼ活性を有するUHRF1の2つのタンパク質が必須な役割をします。まず、UHRF1のSRAドメインがDNA複製後に生じたヘミメチル化DNAを認識し、その後UHRF1は近傍のヒストンH3をユビキチン化します。このユビキチン化ヒストンH3が目印となり、DNMT1がヘミメチル化DNAにリクルートされ、新生鎖DNAがメチル化されます。しかし,ヒストンH3がどのようなユビキチン修飾を受けるのか、DNMT1がどのようにユビキチン化ヒストンH3を認識するのか、ユビキチン化H3の結合によってDNMT1の構造や活性がどのように制御されるのかは不明でした。本セミナーでは、ユビキチン化ヒストンH3とDNMT1の複合体のX線結晶構造解析により明らかにした、ユニークなユビキチン修飾の認識とそれに伴うDNMT1の酵素活性化機構に関して紹介します。また、DNA維持メチル化はDNA複製の直後に起こることが考えられていますが、これらの2つの現象がどのようにカップリングしているかは不明でした。我々は、DNA複製因子DNA ligase1 (LIG1)がUHRF1を複製サイトへリクルートすることを明らかにしました。さらに、LIG1とUHRF1の複合体の結晶構造解析に成功し、その認識機構と、LIG1の結合によるUHRF1の高次構造の変換機構を解明したので紹介します。

業 績

1. Ishiyama S, Nishiyama A, Saeki Y, Moritsugu K, Morimoto D, Yamaguchi L, Arai N, Matsumura R, Kawakami T, Mishima Y, Hojo H, Shimamura S, Ishikawa F, Tajima S, Tanaka K, Ariyoshi M, Shirakawa M, Ikeguchi M, Kidera A, *Suetake I, *Arita K, *Nakanishi M. Structure of the Dnmt1 reader module complexed with a unique two-mono-ubiquitin mark on histone H3 reveals the basis for DNA methylation maintenance. Mol Cell 68 350-360, 2017

2. Ferry L*, Fournier A*, Tsusaka T*, Adelmant G, Shimazu T, Matano S, Kirsh O, Amouroux R, Dohmae N, Suzuki T, Filion GJ, Deng W, de Dieuleveult M, Fritsch L, Kudithipudi S, Jeltsch A, Leonhardt H, Hajkova P, Marto JA, Arita K, Shinkai Y**, Defossez PA**. Methylation of DNA Ligase 1 by G9a/GLP recruits UHRF1 to replicating DNA and regulates DNA methylation. Mol Cell 67, 550-565, 2017

連絡先

生体防御医学研究所
エピゲノム制御学分野 鵜木 元香

Division of Epigenomics and Development, MIB,
Motoko UNOKI

092-642-6761 (6760)