第681回 生医研セミナー(多階層生体防御システム研究拠点)
免疫機構研究セミナー

下記の通り、小迫先生によるセミナーを開催致します。皆様の積極的なご参加をお待ちしています。

演題

リン酸化プロテオミクスを用いたキナーゼ基質の機能解析

演者

小迫 英尊 先生
徳島大学藤井節郎記念医科学センター 細胞情報学分野 特任教授

日時

2014年 9月29日(月) 17:00~18:00

場所

九州大学 病院キャンパス内 コラボステーションⅠ1階 共同セミナー室AB
以下の地図の32番の建物になります。
(http://www.kyushu-u.ac.jp/access/map/hospital/hospital.html)

要旨

ヒトにはタンパク質キナーゼが500種類以上も存在し、それぞれ標的とする基質タンパク質をリン酸化することによって、様々な細胞内情報伝達系で重要な役割を果たしている。キナーゼの遺伝子異常は種々の疾患を引き起こすため、個々のキナーゼの標的基質を同定し、そのリン酸化による機能制御を明らかにすることは、基礎研究のみならず診断・創薬などの臨床応用の見地からみても重要である。これまでに我々はIMAC(固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフィー)と2D-DIGE(蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動)を組み合わせた新たなリン酸化プロテオーム解析法を開発した。そして真核生物に普遍的に存在し、細胞内で多彩な役割を果たすERK/MAPキナーゼを対象とすることにより、新規ERK基質を多数同定し、中でも核膜孔複合体構成因子のリン酸化による核-細胞質間輸送の制御機構を明らかにした。現在この手法を応用して、様々な疾患に関与する複数のキナーゼの基質候補を同定し、その病態形成機構を解析しており、これらの結果についても紹介したい。

連絡先

生体防御医学研究所 分子免疫学分野
山崎 晶
電話:092-642-4614