第674回 生医研セミナー(多階層生体防御システム拠点)
免疫機構研究セミナー
下記の通り、慶應義塾大学医学部 免疫微生物学教室の吉村 昭彦 先生によるセミナーを開催致します。
多くの皆様のご来聴をお待ちしております。
演題
腸内細菌によるアレルギーと抑制T細胞の制御
Regulation of food allergy and regulatory T cells by intestinal microflora
演者
吉村 昭彦 先生
慶應義塾大学医学部 免疫微生物学教室 教授
日時
2014年 5月 2日（金） 17：00～18：30
場所
九州大学 病院キャンパス内 生体防御医学研究所 本館1階 会議室
以下の地図の21番の建物になります。
（http://www.kyushu-u.ac.jp/access/map/hospital/hospital.html）
要旨
哺乳類の腸管には1000種以上の腸内フローラとよばれる細菌叢が存在している。古くより腸内細菌とアレルギーとの関係が示唆されているが分子論的な詳細は不明であった。今回腸内細菌が食物アレルギーを抑制する機構としてTh17によるILC2細胞の抑制メカニズムを明らかにした。またクロストリジウム属はTregを誘導して炎症性腸疾患を抑制することが知られているが今回クロストリジウム菌がTLR2を介して樹状細胞よりTGF-βの産生を促進してTregを誘導するという新しい機構を発見したので報告したい。
Over 1000 bacterial species so called microflora are present inside mammalian intestine. It has been suggested a strong correlation between intestinal bacteria and allergy, however detailed molecular mechanism has not been clarified. Here we propose a novel mechanism for the suppression of food allergy by microflora: suppression of ILC2 by Th17 activated by bacteria. Moreover, it has been shown that Clostridium species suppress colitis. We found a new mechanism of Treg induction by Clostridium species, which is an induction of TGF-beta through TLR2 signals activated by Clostridium species.
連絡先
生体防御医学研究所 感染制御学分野
吉開 泰信
電話：092-642-6972